2008年7月8日火曜日

KAWAI

株式会社河合楽器製作所

Kawai Musical Instruments Manufacturing Co., Ltd.


株式会社河合楽器製作所(かわいがっきせいさくしょ)は、静岡県浜松市中区に本社を置く楽器メーカー。商標名は英字大文字でKAWAI。現在は世界第2位のシェアを占める。

沿革
日本楽器製造(現・ヤマハ株式会社)に勤務していた河合小市が独立し、1927年に河合楽器研究所を設立。1935年に合名会社 河合楽器製作所を経て1951年に設立された。 1955年に河合小市が死去、河合滋が社長に就任した。 1956年にカワイ音楽教室を創設、音楽教育事業によるユーザ層の拡大に乗り出した。 1989年に河合弘隆が社長に就任し、河合滋は会長に専任となった。

河合滋が社長を務めていたころは、業界を先駆けてピアノの割賦販売を打ち出すなど、同業のヤマハと切磋琢磨し、日本の音楽普及に貢献した。バブル時代には、ゴルフ場事業等にも進出し、非ピアノ事業の育成を企図した多角化を行ったが、最近はピアノ事業に回帰する姿勢を鮮明にしている。

概要
ピアノを中心とした楽器製造・販売のほか、近年はカワイ精密金属等(長野県)でピアノの部品素材のノウハウを生かした半導体素材の生産も行っている。かつてはDTM関連製品やムーンサルト、F-I、Rockoonシリーズ等のエレキギター/エレキベース、K5000シリーズなどのシンセサイザーを製造・販売していたが、現在では楽譜作成ソフトウェア「スコアメーカー」や入力用の小型キーボード「HYPERCAT」を除き、撤退している。出版部門は「カワイ出版」のブランドで、多くの楽譜、音楽書を出版している。邦人作曲家の合唱曲には定評があるものが多く「合唱のカワイ」というキャッチフレーズを用いている。音楽書以外にも絵本等の出版も行っている。

また、ピアノの製造過程で出る端材を活用して、木製の玩具なども発売している。

ヤマハが小売り部門を、特約店方式で各地の楽器店と契約しているのに対し、全国に直営店を展開している。

業界にとっては奇抜なシグネイチャー・モデルとして、全体が透明なアクリルで構成されているクリスタル・ピアノ(CR-40A,CR-30)が市販されており、YOSHIKIが愛用していることで世界的に広く知られている。

連合赤軍あさま山荘事件当時、連合赤軍に占拠された軽井沢のあさま山荘を所有していたのは、河合楽器である。

教育事業
音楽教室の他に、主に幼稚園・保育園を対象に体操教室・英語教室・絵画造形教室などを開講している。



ドリマトーン

ドリマトーン(Dreamatone)とは、河合楽器製作所が販売している電子オルガンの商標。

概要
1978年から1979年にかけてカワイ電子オルガンの全機種がモデル・チェンジした事が契機となり、1979年秋に「ドリマトーン」がカワイ電子オルガンの総称となった。

モデルチェンジを果たした時点でのドリマトーンには、演奏会仕様のシアター・モデル・シリーズ、家庭内ユースを主目的としたKE/モア/クラシック・モデルなどのシリーズが存在した。 音源は基本的にエレクトーンと同じくトランジスタを使用したものであるが、上位機種の音色の調整にはエレクトーンのトーンレバーに対してハモンドオルガンと同じようなドローバー(ティビアドローバー)を使用している。これはデジタル化された今も受け継がれており、現行のDTシリーズにも装備されている。鈴木楽器のハモンドXT-100・XH-200と並ぶ、ドローバーを装備した国産電子オルガンである。

過去の機種
T-50
シアター・モデル・シリーズはT-3/T-5/T-10/T-30の4機種が市販されたが、それ以前にT-50が開発されている。これは1977年にカワイ創業50年を記念して発表されたもので、オルガニストの秋山雅人が考案/開発に携わっている。メイン鍵盤61鍵×4段、サブ鍵盤37鍵×4段、スピーカー数32、レバー数450という特別仕様の機種で、制作費は1億円。

T-30
T-50の機能を受け継いで1979年秋に市販されたシアター・モデル・シリーズの最上位機種。メイン鍵盤61鍵×3段、サブ鍵盤37鍵×1段。

M-650
T-50やT-30のノウハウを家庭ユースオルガンに転用したモアシリーズの1機種。鍵盤61鍵×2段。

G-600
クラシック・モデル・シリーズの1機種。ストリングアンサンブルの機能や古典音楽に使用される管楽器の音色が搭載され、クラシック音楽の演奏にも対応出来る仕様になっている。

KE-510DX
家庭ユースを目的としたKEシリーズの1機種。鍵盤49鍵×2段。


現行機種
DT9
上鍵盤61鍵+下鍵盤61鍵+ペダル鍵盤25鍵のフルスケール機種。
ハモンドオルガンと同じく9本+9本+2本のドローバーを備えているが、ハモンドオルガンと違って音の高さ順に並んでいる(5-1/3' が8' の右隣にある)。
その他842音色+13ドラムキット、多彩なリズム、シーケンサーを搭載。
DT7
上鍵盤49鍵+下鍵盤61鍵+ペダル鍵盤20鍵。
下鍵盤のドローバーは6本。その他の機能はDT9とほぼ同じ。
DT5
上鍵盤49鍵+下鍵盤61鍵+ペダル鍵盤20鍵。548音色+13ドラムキット。
ティビア音色は用意されているもののドローバーはない。
DT1
上鍵盤49鍵+下鍵盤61鍵+ペダル鍵盤20鍵。211音色。
最廉価版。この機種もドローバーはない。



クリスタル・ピアノ

クリスタル・ピアノとは、透明なグランド・ピアノの総称。通常、木製で黒塗りである本体外枠や脚、蓋など、外から見える大部分が透明なアクリルによってできている。シンデレラのガラスの靴のように、本来透明であるはずのないピアノがガラスのような透明な楽器として登場したことは、想像上の夢が現実になったかの如く広く業界に支持され、現代建築やキャバレー、結婚式場、ミュージアム、ホテル、公共施設、JAZZ喫茶、高級船舶、教会などに多く納入されている。


クリスタル・ピアノの歴史
1950年代初頭、ドイツの老舗ピアノメーカーであるSchimmel(シンメル)社が世界初のGlasflügelを発表し、その大胆で奇抜な発想に業界は驚愕した。その後、日本の河合楽器製作所も「クリスタル・グランド」として一般に販売を開始した。その姿の美しさに惚れたYOSHIKI(当時X JAPAN)が好んで使用したことから、河合楽器製作所製のモデルはいつしか「YOSHIKIモデル」とも呼ばれ、広く一般にもその存在が知られるようになった。現在、一般に入手できるクリスタル・ピアノはSchimmel製と河合楽器製作所製と2社しか存在しない。

クリスタル・ピアノ 特徴
本来、木製の部分がアクリルでできていることから、通常のピアノと異なる特徴がいくつか挙げられる。

重量:非常に重い。本体の移動だけでなく、蓋の開閉についても通常より重い。
構造:透明で中身が見えるため、内部の構造も見せることを前提に設計されている。特に、通常は金色である鉄製フレームは白く塗られており、クリスタルの美しさを助長させている。
音質:本来木製である枠の共鳴がアクリルでは異なるため、幾分か音はフラットである。しかし、ラウンジなど音の反響の多い設置場所や、小ホールなど容積の小さい設置場所、マイクを使うコンサート、大音量による演奏を必要としていない使途などにおいては、その点はあまり問題とならない。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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