2008年6月20日金曜日

Blüthner

ブリュートナー (Blüthner、Julius Blüthner Pianofortefabrik GmbH)は、ドイツを代表するピアノメーカーの一つ。このところ日本でも徐々に注目されつつあるが、ヨーロッパにおいては一流ピアノとしてベヒシュタインと同様の高い評価を得ている。

特徴
「ブリュートナーのピアノは本当に歌う事が出来、そしてそれはピアノにとって最高の褒め言葉である」と書き残したのは、20世紀最高の指揮者ともいわれるフルトヴェングラーである。また一般的に、ブリュートナーの音色は温かく情緒的なロマンチックサウンドといわれる。立ち上がりが丸く、明瞭さの伴った歌声のように伸びていく音は、一つ一つの音のつながりを良くしメロディーラインをきれいにしっかりとなぞって行く事ができる。

また、高音部にアリコートと呼ばれる打弦されない4本目の弦が張られている。この方式の特徴は、音色を華やかにする他のメーカーが採用している方式と違い、響きを豊かにするものである。

更に近年ハーモニックペダルの特許をとっている。 これは通常のダンパーペダル使用時にスタッカートが利き、同時に打弦されずに開放状態にある弦の共振を保つことが出来るようにしたものである。

歴史
1853年、ユリウス・ブリュートナーによってドイツのライプツィヒで創業された。そして、1872年にアリコートの特許を取っている。1938年に飛行船に乗せるために、アルミ製のきわめて軽いグランドピアノが作られ話題になる。第二次世界大戦中の1943年には、他の多くのドイツのメーカーがそうである様に、工場が空襲で焼かれ屋根は焼け落ち楽器はもちろん材料となる木材もすべて焼き尽くされたといわれる。その後市場にピアノを送り出すまでに回復するには1948年まで待たなければならなかった。また東ドイツ時代には一時国営化されたが、1990年の東西ドイツ統一を期に経営権はブリュートナー家に返還される。その後順調に業績を伸ばし、2005年にはヨーロッパにおけるコンサートグランドピアノの販売台数が、2番目に多いという記録を作るまでになっている。1位は言うまでもなくスタインウェイである。

イギリスのヴィクトリア女王を始め、ドイツ国内はもちろんオーストリア、デンマーク、ギリシャなどの多くの皇室にも納品される。ブラームス、リスト、チャイコフスキー、ドビュッシー、ショスタコーヴィッチなどの多くの有名な作曲家、ブゾーニ、アラウ、ルービンシュタイン、プレトニョフなどのピアニスト、そのほかヨハン・シュトラウス、フルトヴェングラー、メニュヒン、マルケヴィッチなどの音楽家からも高く評価されている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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